●データを活用したREIT市場分析と先を見据えた資産運用手法
REIT市場は、2006〜2007年のファンドバブル期以来の活況を呈していて、東証REIT指数は2019年7月16日以降2,000ポイントを超え、既に2,100ポイントをも上回っています。
取引市場の月間売買高も過去最高の2.9兆円弱まで達していますから、活発な取引とともに相場も上昇しているという図式になっています。
一方、市場取引の詳細や相場の動きを見ると、ファンドバブル時は明らかに異なった傾向になっています。
このような状況では、極力データに基づく客観的な見方を行い、市場の実態を把握理解した上で、REIT市場を冷静に見なくてはなりません。
相場は上昇すれば何れは戻ります。REITにとっては先を見通した資産運用が必要になりますので、豊富なオリジナルデータを使って現状を分析し、今後のREITにとって必要な視点や運用手法の見直しについて解説していきます。
講師は、REITアナリスト 山崎成人氏。
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■セミナー詳細 |
- データによるREIT市場の現状分析
(1) 現在の相場診断
REIT相場を測るには、東証REIT指数の推移と分配金利回り推移の両者で見なくては実態が把握出来ないので、より詳細なデータを提示しながら現状の相場を解説
る。
またREIT相場の動向に影響を与える要素として、JGB国債利回り及び米国債利回りの動向も解説しながら、これらの影響度を測定する。
(使用する主なデータ)
・2003年4月〜2019年9月間の月次単位の東証REIT指数と月間売買高の推移
・週単位の上場全銘柄平均の予想分配金利回り、既存銘柄平均利回り、新興銘柄平均利回り、AA格銘柄の平均利回りとAA格を除いた新興銘柄の平均利回り
の相互比較データ
・日次単位のJGB10年債利回りと米国10年債利回りデータ
(2) REIT取引市場での売買の実態
@ マクロ動向の解説
東証発表の投資部門別売買動向(月次データ)を使った投資家別の売買動向の分析 から投資家属性毎の投資態様の相異を解説する。
(使用するデータ)
・過去5年間の月次投資家別売買シェアの推移
・過去5年間の月次投資家別売買金額の推移
・過去5年間の月次投資家別取引単価の推移
・過去5年間の月次投資家別売買差引の推移
Aミクロ動向の解説
2018年からの個別銘柄別の投資口価格と出来高の日次推移から見る銘柄別の特徴 と相異点の解説。
(使用するデータ)
・日次の銘柄別取引動向と東証REIT指数との相関度データ
(3)今後の相場動向の予測
今後の相場動向の把握は関係者にとっては最重要の要素となるので、前項の分析から今後のREIT市場の動きを短期と中期に分けて予測する。
- 投資用途別に見た賃貸動向
REITが保有している物件の用途別の賃貸動向を、2018年末と直近の状況を比較して解説する。
(使用するデータ)
・2018年12月末現在の用途別賃料と稼働率のデータ
・2019年9月末現在の用途別賃料と稼働率のデータ
- 投資法人別のデータ比較と相異と特徴
(1)ポートフォリオNOI利回り
投資法人別のポートフォリオNOI利回りを通期と直近4期を比較し、どのように変化しているのかをデータで把握し、更に投資用途別、既存銘柄と新興銘柄に分けて比較して相異と特徴を解説する。
(使用するデータ)
・投資法人別ポートフォリオデータ(年換算利回り)一覧
(2) 分配金データでみる投資法人の特徴
インカムゲイン型投資商品であるREITでは、投資家にとって分配金が最重視されるデータなので、相互に比較出来るよう補正してREITにとって必要とされる分配金水準を解説する。
(使用するデータ)
・銘柄別の過去の実績分配金額のデータ
・銘柄別の直近4期の実績分配金額のデータ
・銘柄別の次期予想分配金額のデータ
(3) 市場評価(投資家評価)ランキング
見做し額面価格比による投資口価格ランキングデータによって、市場評価を構成し ている要素は何かを解説する。
(使用するデータ)
・投資法人別ROE(払込資本利益率)
・投資法人別NAV倍率
・投資法人別投資口簿価と市場価格の乖離率
・銘柄別格付け
・銘柄別時価総額・保有上位5位の構成比率
(4) REITの投資主構造について
REITが決算毎に発表する投資主構成データを収集加工して、REIT全体の投資主構成と銘柄別の投資主構成の相異を示し、投資主対策の重要度について解説する。 また過去から実施してきた投資家セミナーの出席者(主として個人投資家)の見方と 投資態様についても解説する。 (使用するデータ)
・投資法人別投資主構成比率の2018年12月現在と2019年9月現在の比較データ
- REITの資産運用にとっての必要なスキルの解説
(1) 投資法人の合併
スターアジア不動産投資法人によるさくら総合リート投資法人への敵対的買収は未だ完全決着には至っていない。この買収の経緯と諸事情、今後の展開そして
REIT全体への影響について解説する。
(2) REITの賃貸収支利益構造の把握と平均値の解説
投資法人を投資用途別に分類した賃貸利益率の比較データによって用途別の利益率の傾向を把握し、また平均値と比較して、個々の銘柄がどのような位置にあるのかを解説する。これによってREITに必要とされる収益構造は具体的にどのようなものかを把握する。
(使用するデータ)
・投資用途別・投資法人別の直近4期の平均賃貸利益率(営業総利益率・営業利益率・ 経常利益率・営業外費用率)データ
(3) REITのポートフォリオNOI利回りの理解
新規上場や上場後の外部成長ではどのような収益利回りで取得すべきかは、鑑定評価ではなく、上場銘柄のポートフォリオNOI利回りとの比較によって決める必要
がある。他銘柄より劣後した利回りになってしまうと、リカバリーが難しく、長期低迷に陥 ってしまうので、冷静に比較データを使って資産取得を行う必要がある。
(使用するデータ)
・投資用途別・投資法人別の直近4期の平均NOIデータ
(4) 財務構造の理解
REITの運用では財務知識が必須となるので、投資法人にとっての重要な指標と見方について解説する。
(使用するデータ)
・投資用途別・投資法人別の主要財務指標の比較データ
(5) IPOを計画する際に留意する事項
東証の上場基準の改正、機関投資家の銘柄評価の熟成度の向上によって、最近は新規上場のハードルが高くなっているようにも見えるが、元々REITのIPOは、 事前の調査と準備の内容によって成否が決まる傾向があり、これらを怠ったラッ キーパンチは期待出来ない。
長期に亙って投資法人が成長出来ることがIPOの目的なので、事前にどのような内容を検討する必要があるかを解説する。
@ 増資を計画する際に留意すべき点
現在の市場状況は、増資に対しては冷静な見方になっているので、投資家を納得させるような増資計画について解説する。
A 利益超過分配金について
利益超過分配金は一部の機関投資家には不評なので、実施の優先度は低いのが実態である。また既存銘柄では利益超過分配金を実施する銘柄は稀であるが、新興銘柄に多い
のが実態であり、且つ概して市場評価の低い銘柄での採用例が多いので、実施の適否をどのように考えておくべきかを解説する。
B 自己投資口取得について
自己投資口の取得は無原則で行うのでなく、一定の条件の下に実施しなくてはならないのと、事後の増資の可否等の微妙な問題もあるので、自己投資口取得の背景と必要要件を解説する。
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