●2019年下半期のREIT市場予測と投資の実践
2019年後半以降は、米国FRBの金融政策が緩和方向に向くことで、J-REITの利回り低下も予想されますが、一方で不動産市場では価格が既にピークアウトしていることで、REITへの下押し圧力が始まることも予想され、相反する要素が同時に影響を与えることになりそうです。
勿論これらの要素以外に、国際情勢では米中貿易摩擦、英国の離脱問題によるEUの混乱、イラン問題による日本の石油輸入ルートの大半を占めているホルムズ海峡の安全航行等が株式市場を揺らすことで、REITにも影響があります。
そこで今回は、米国の金利動向と不動産価格の見通しによるREITへの影響を中心に、その他の要素についても触れながら、2019年後半のREIT投資態様の勘所について解説します。
講師の山崎氏は、2000年よりREIT分析を専門に独立系のREITアナリストとして活動しています。
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■セミナー詳細 |
- 米国の金融政策と金利動向
米国では既に来秋の大統領選挙を意識した動きが加速していますが、共和党も民主党も金融緩和の方法論は違っても一致していますから、金融緩和の流れは続くと予想されます。
但し、FRBが無原則に利下げに走る可能性は小さいので、今後は下限金利の見極めが焦点になりそうです。
また米国の方針政策は選挙ありきに傾くことは確実で、この延長線上で国際状勢も見る必要がありますので、この視点を中心に解説します。
(1)来秋の大統領選挙までは金融緩和は続きそうだが・・・
(2)金利の下限は米中貿易摩擦の進展次第で変わりそう
(3)米対イランの問題は大統領選挙に資する形で行方が決まりそう
(4)英国のブレクジット次第で日本にも影響が及ぶ
(5)米中、米対イラン問題等の日本への影響(主として経済的分野)
- REIT市場の実態把握
既にREIT市場は過熱状態になっているので、どの程度の過熱なのか、この先 どうなるのかという見通しは重要です。そこでデータ分析を交えて現在の状態を診断します
(1) 現在のREIT市場の状態把握
@ 相場の過熱感を測る
過去からのデータを使って、現在のREIT相場の状態を診断します。
A 外部成長と増資の問題点の把握
上場銘柄の増資と外部成長は銘柄によってかなり異なった展開になっていますので、直近の不動産価格動向を踏まえてREITの増資と外部成長を投資家はどのように見れば良いかを解説します。
B 分配金利回りで相場の実態を把握する
REIT投資の判断基準は分配金利回りになりますので、本セミナーでは主として分配金利回りの推移を見ながら相場実態を解説します。
C 東証REIT指数と個別銘柄の投資口価格の相関関係
個別銘柄の投資口価格動向を見ていると、東証REIT指数の動きに連動している銘柄と、連動していない銘柄が混在していますので、個別銘柄の投資口価格と東証REIT指数との相関指数を示し、その背景を解説します。
(2) 長期目線で見る投資市場を取り巻く環境の変化
REIT市場はこれからどのように成長していくのか、今後投資家層の変化が期待出来るのか等、長期投資に必要な視点について解説します。
@ REITは今後どのようなプロセスを経て成長していくのか
A 今後の新規上場銘柄を見極めるポイント
B データによる現状の投資家層の把握と今後の投資家層の広がりの可能性
C 投資家は合併に対してどのような判断基準が必要なのか
(3) 投資用途別に見た今後の動向
投資家にとっては不動産用途別に見た賃貸市場動向の概観を把握しておく必要があるので、REITが投資しているセクター別に見た現在のパフォーマンス状況と今後の動向についてデータを使って解説します。(オフィスビル、商業施設、賃貸住宅、物流倉庫、宿泊施設)
- REIT業界の動向
(1) 2019年の物件取得状況と増資の動向
2019年のREITの外部成長と増資を過去と比較するとどのようであったかを解説し、直近の状況と今後の方向について解説します。
(2) 今後の日本の金融環境の見通し
REITの収益に大きな影響を与える金融緩和政策と低金利が何時まで続くのかはREIT投資にとっては重要な視点ですので、直近のREITの営業外収益状況を踏まえて今後の見通しについて解説します。
(3) 資産運用会社の動向
スターアジア不動産投資法人の資産運用会社が、さくら総合リート投資法人へ敵対的買収を仕掛け、一方で仕掛けられたさくら総合リートは投資法人みらいとの合併によって敵対的買収を逃れようとしています。
このような事態は過去には例のなかった事象であり、他の投資法人への影響も大きくなっています。そこで今後同じような事例が起こるのかを多角的な視点で解説します。
- 個別銘柄の分析
(1) 個別の銘柄の保有資産と資産運用能力の定性的分析
REIT投資の重要ポイントである資産運用能力は、保有資産の内容や財務内容に端的に反映されますので、これらのデータを使って資産運用会社の実力を客観的に判断します。
(2) 銘柄別の投資判断に活用出来る各種データ分析の解説
投資法人の現状を把握するデータや指標は各種ありますが、ここでは投資家の投資判断に活用出来るオリジナルデータを中心にして解説します。
- REIT投資の実践
(1)REITの売り時の判断基準
相場上昇局面では保有投資口の売却の誘惑が働きやすくなりますので、どのような基準と考え方で保有・売却を判断するかについて解説します。
(2) 現在のREIT相場では、どのような基準で投資対象銘柄を探すのか、どの程度の価格で買うべきなのかを具体的に解説します。
(3) 投資ポートフォリオの見直し
既に保有している投資ポートフォリオは、現在の相場でどのように改善していくべきなのかを解説します。
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