《J-REIT実務者向けセミナー》 


投資家の視点から考えるREITの資産運用手法


主催/アイビー総研(株)  (有)エス・ワイ・シー

日時: 2018年10月18日(木) 13:30〜16:30 (開場:13:15)
場所: コンベンションルーム AP東京丸の内
(東京都千代田区丸の内1-1-3 日本生命丸の内ガーデンタワー 3階)
<地図>

JR「東京駅」、 丸の内線「東京駅」「大手町駅」 千代田線「大手町駅」 半蔵門線「大手町駅」 三田線「大手町駅」 D6出口より直結
講師: REITアナリスト 山崎成人  プロフィール
対象: J-REIT関係各プレイヤー・投資家等
受講料: 一般:25,000円 (複数人でのお申込みはお一人様22,500円
「REIT DATAサイト」有料会員/REITトレンドニュース会員20,000円 
備考: 受講料は、消費税・資料代・飲み物代を含みます。

投資家の視点から考えるREITの資産運用手法
 REITの投資口相場は全体的に膠着状態になっていますが、投資法人別に見ると、新規上場や増資の適否が冷静に判断され、従来と異なり優劣の差が明確になっています。投資家のREITに対する見方は年々厳しくなり、この傾向は今後も続いていくと予想されます。
投資法人にとっても小手先の手法では投資家を納得させられなくなっていますので、改めてREIT市場の現状を的確に把握し、資産運用の手法を見直す必要もあります。
そこで今回は、独自のデータを活用してREIT市場の現状を分析・解説し、そこから資産運用スキルの向上を目的とした解説を行います。
講師は、REITアナリスト 山崎成人氏。
■セミナー詳細     
  1. REITの資産運用面で考慮すべきポイントとは?

    (1) REIT市場を動かしている要素
    投資家目線で見ると、日経平均株価との連動性や、日銀の金融政策の変化、グローバル経済環境(米中貿易摩擦の行方)の変化など、いくつかの要素が挙げられるが、これらは運用側ではコントロール出来ず、パッシブに受け入れるしかない。
    しかし投資法人にとって重要な指標である分配金利回りがどのように形成されているのかは把握しておかなければならない。
    そこで、
    • 分配金利回りの形成根拠
    • 銘柄毎の分配金利回り(投資家の期待利回り)の格差
    についてデータを使って解説する。

    (2) 長期目線で見る投資市場を取り巻く環境の変化
    REIT市場はこれからどのように成長していくのか、今後投資家層の変化が期待出来るのか等、長期運用に必要な視点について解説する。

    @ REITの市場規模と上場銘柄数の予測(今後の新規上場の動向を含む)
    A データによる現状の投資家層の把握と今後の投資家層の広がりの可能性について解説するとともに、グローバル経済環境の行方と影響度についても触れる。

    (3) 投資用途別に見た今後の動向
    既にREITが投資しているセクターはどの分野の市場も量的には充足している状態にある。オフィスビル、商業施設、賃貸住宅、物流倉庫、宿泊施設の今後の動向がどうなるのか。また新たな投資用途の可能性についても言及する。

  2. データによるREIT市場の現状分析

    (1)相場動向の見方
    REIT相場を見る際、東証REIT指数と分配金利回りでは相場の実態が微妙に異なるので、両者による違いを解説する。

    (2) REIT市場での売買の実態
    @ 東証発表の投資部門別売買動向を使った投資家別の売買動向の分析から投資家属性毎の投資態様の相異を解説する。
    A 銘柄別の取引動向による分析と解説を行い、市場取引の実態を探る。

  3. 投資法人毎の相異と特徴のデータ解説

    (1) 市場評価(投資家評価)ランキング
    見做し額面価格比による投資口価格ランキングデータによって、市場評価を構成している要素は何かを解説する。
    • ROE(払込資本利益率)
    • NAV倍率
    • 格付け
    • 時価総額、他

    (2) 分配金データでみる投資法人の特徴
    インカムゲイン型投資商品であるREITでは、投資家にとって分配金が最重視されるデータなので、相互に比較出来るよう補正してREITにとって必要される分配金水準を解説する。

    (3)REITの投資主構造
    REITが決算毎に発表する投資主構成データを収集加工して、REIT全体の投資主構成と銘柄別の投資主構成の相異を解説する。

    (4) 投資法人の合併について
    昨年から今年に掛けて合併事例が発生したが、その効果はどうであったのかを検証するとともに、合併に必要な要件や合理的な手法、そしてこれからの合併の可能性について解説する。


  4. REITの資産運用にとって必要なスキルとは?

    (1) 賃貸収益構造
    投資法人を投資用途別に分類した賃貸利益率の比較データによって、用途別の利益率の傾向を把握し、また平均値と比較して個々の銘柄がどのような位置のあるのかを解説する。
    これによってREITに必要とされる収益構造は具体的にどのようなものかを把握する。

    (2) ポートフォリオNOI利回り
    新規上場や上場後の外部成長ではどのような収益利回りで取得すべきかは、上場銘柄のポートフォリオNOI利回りとの比較によって決める必要がある。
    他銘柄より劣後した利回りになってしまうと、リカバリーが難しく、長期低迷に陥ってしまうので、比較データを使って資産取得を行う必要がある。

    (3) 財務構造
    将来の金融正常化に備えて、今から投資法人の財務内容をチェックして強みと弱みを把握しておかなければならない。
    そこで、投資法人の財務指標の比較を通じて、改善点・問題点を解説する。

    これらのデータを踏まえてケース別に必要な検討事項を解説する。

    @IPOを計画する際に留意するポイント
    最近は、新規上場のハードルが高くなっているようにも見えるが、これは相場の見方の違い(東証REIT指数は相場の実態を表していない場合もある)から来る上場戦略の粗漏にも原因がある。
    REITの上場は、事前の調査と準備の内容によって成否が決まる傾向があり、こ れらを怠ったラッキーパンチは期待出来ない。
    長期に亙って投資法人が成長出来ることがIPOの目的なので、事前にどのような内容を検討する必要があるかを解説する。

    A増資を計画する際に留意すべきポイント
    現在の市場状況は、増資に対しては冷静な見方になっているので、投資家を納得させる増資計画について解説する。

    B利益超過分配金の考え方
    利益超過分配金は一部の機関投資家には不評なので実施の優先度は低いのが実態である。
    また既存銘柄では利益超過分配金を実施する銘柄は稀であるが、新興銘柄に多いのが実態であり、且つ概して市場評価の低い銘柄の採用例が多いので、実施の適否をどのように考えておくべきかを解説する。

    C自己投資口取得の考え方
    自己投資口の取得は、無原則で行うのでなく、一定の条件の下に実施しなくてはならないのと、事後の増資の可否等の微妙な問題もあるので、自己投資口取得の背景と必要要件を解説する。

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