●調整局面のREIT市場に必要な資産運用とは
2017年のREIT市場は一見緩やかな調整局面に入っていますが、現実の市場の動きはどうなっているのか、そしてどのような要因で調整が起こっているのかを分析し、市場の本質を理解することが重要です。
REITの事業に関わる方や投資家の方を対象に、市場の実態と今後の方向性に即した資産運用の手法や、資産運用の優劣を見極めるポイントについて、独自のデータを駆使して解説致します。
講師は、REITアナリスト 山崎成人氏。
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■セミナー詳細 |
- 数値分析によるREIT市場
ヒストリカル分析によって、現在のREIT市場の相場の動きを解説します。
(1) 東証REIT指数を使った相場分析
マクロの指標である東証REIT指数を活用して相場の概観を把握し、ヒストリ カル分析を通じて、REIT市場の流れとREIT相場に影響 を与えてきた要素を解説します。
(2) 分配金利回りデータを使った比較分析
上場銘柄の分配金利回りを使ったヒストリカル分析によって、市場の実態を更に深掘りします。
(3) 投資家別売買動向のデータによる分析
REIT市場での投資家別売買動向は属性によって異なっているのが実態ですが、往々にして一律に捉えて投資家の動きを解説するケースが目につきます。しかしREITを運用する立場であれば、投資家別の売買動向の相違を把握し、投資家別の投資態様を理解することが必要です。そしてターゲットとする投資家の動きや、投資家別の売買態様の偏差によって、演繹的に相場が形成されていることを理解する必要があります。
(4) これらの分析に基づくREIT相場の今後の行方
今後のREIT相場を中立的な見方で予想します。更に相場を見据え、その時々の市場に適した運用が重要となるため、運用する上で必要なポイントについて解説します。
- REIT個別銘柄評価
投資口価格は銘柄の評価を示していると言えますので、原初価格に対する投資口価格倍率のランキングを基に、以下の項目を解説します。 またランキング別の投資主構成比率から投資家の判断基準についても解説します。
・NAV倍率
・ROE(払込資本利益率)
・実績分配金
・NOI
・格付け
・時価総額
このランキングに基づいた比較分析は、資産運用サイド、投資家サイド双方ともに重要なデータなので、今後の運用に活用できます。
- 今後の新規上場と投資用途
REIT市場は既に59銘柄が上場していますが、2017年の新規上場は2銘柄に留まっていて、昨年に比べて確実に失速しています。
これは東証の上場基準が厳しくなったことも関係していて、従来に比べて上場のハードルが高くなった為だと考えられます。
そこで今後新規上場を狙うにはどのようなポイントに留意し、どのような資産組成が必要なのか、従来の上場事例に基づいて解説します。
(1) 組成資産の考え方(投資用途・規模・建物の質等)
(2) 確保すべき分配金水準
(3) スポンサーの客観的評価に基づいた資産運用体制の構築
(4) 上場後の投資口価格推移の予想とIPO価格設定
「新規上場銘柄へのヒアリングから見た改善策」
2015年・2016年に上場した新規上場銘柄の資産運用会社へのヒアリングでは、共通している特徴と、個々の事情の相違があります。理想と現実のギャップは不可避ではあるものの、これらの事例から学ぶべきことも多いと言えますので、ヒアリングを通じた解説に加え、今後の市場評価の回復に必要な改善策についても解説します。
(1) 自己投資口取得は効果があるのか
(2) 増資時の希薄化対策
(3) 低評価銘柄のリカバリー戦略
- REITの運用に必要なスキル
(1) 分配金原資となる賃貸利益構造の理解
・収益用不動産の長期パフォーマンス特性
・データによる銘柄別賃貸収支構造の比較
・重視する利益率は何か
・利益超過分配金の考え方
・パフォーマンス改善手法
(2)REITを取り巻く環境の把握
REITの運用では、相場動向と銘柄の市場評価に影響を与える要素を抽出し、何を重視すべきか、何を看過するのかを切り分けなくてはなりません。更に現実的に銘柄評価にとって何が有効なのか解説します。
(3) REIT相場の調整が深まった場合の対処方法
現在は緩やかな調整局面にあるので、市場評価の低い銘柄でも切迫感はなさそうですが、更に相場調整が深まる事態を想定した場合、何が問題となるのか、どのような対策を準備しておく必要あるのかを解説します。
(5) 財務指標の解説
財務指標の中で、特に留意しなければならない指標を抽出し、その意味を解説し、どのような効果があるのかを解説します。また機関投資家の評価に直結する財務指標についても解説します。
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