●長期視点から見るREITの資産運用の再構築手法と投資分析
J-REIT市場は既に足掛け15年になり、トラックレコードの蓄積も進み、また様々な経験を経たことで、長期運用戦略の要諦も理解できるようになりました。
一方、REIT市場が復興した2012年から新規上場銘柄ラッシュが続き、既に18銘柄が上場を果たし、既存33銘柄の半分を超える新たな投資法人が誕生したことで、REITにフレッシュさが戻りました。その反面、経験の蓄積の無い投資法人が増えたことは、今後の市場のリスクにもなりつつあります。
REIT市場は緩やかな調整局面に入りましたので、これからのREITの資産運用はこの局面を捉えて運用戦略を再構築して、次のステージへ向かう必要があります。
そこで今回は、REITの運用会社や機関投資家を対象に、REITの今後を見据えた資産運用の考え方、長期投資姿勢での留意点や良否判別に役立つ情報を、運用側及び投資家側の両側面から解説致します。
講師は、REITアナリスト 山崎成人氏。
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■セミナー詳細 |
- 2015年のREIT市場推移を予想する
(1) 過去10年の投資口価格の変動の分析からの現状把握
(2) 2015年第1四半期は昨年に予想した推移に近い状況になっており、今後は緩やかな調整局面を経て落ち着いてくると予想される。その背景や要因、どの水準で落着するのか、また具体的な変動要素は何かを解説する。
- 投資セクター分類別の資産運用の方向性
2015年第2・第3四半期は本来の増資タイミングになると想定される。一方で、不動産価格上昇による利回り低下によって、増資時の物件取得が難しくなっている。特にオフィスビルセクターではその傾向が強いので、投資セクター別の資産運用の方向について解説する。
(1) オフィスビル
オフィスビルセクターは発想の転換が必要とされる。REIT保有のオフィスビルの時系列パフォーマンスデータからの分析や、経年劣化による長期的な資産入替え戦略の手法を考察する。
(2) 商業施設
商業施設は脱大型SCを模索する必要がある。データでは郊外型SCのパフォーマンスが安定しているが、都市型商業店舗とのミックスが不可避になりつつあるので、商業店舗のパフォーマンスデータを見ながら商業施設の今後を考える。
(3) レジデンス
レジデンスは立地調査に基づいたピンポイント戦術で市場競合を勝ち抜く時代になりつつある。
レジデンスのデータを見ると、安定したパフォーマンスを示しているが、このセクターの特徴は、一旦競争力が低下すると回復が難しくなるので、長期に亙って競争力を維持させる物件選別手法が必要となる。
(4) 物流施設
物流倉庫はテナント囲い込み戦術への転換が必要になる。
(5) ホテル
ホテル・旅館等の宿泊施設の市場環境はマクロで良くても、それをREITにフィードバックさせる戦略が必要。
(6) 産業施設
産業施設は現在未開分野だが、今後の有力セクターになる可能性がある。
(7) ヘルスケア施設
ヘルスケア施設の成長性と課題
- 増資のメカニズム
(1) 一昨年からの増資を価格面と財務面から解析しその特徴と良否の判定を行う
(2) 投資法人の増資は何をもたらすのか、どんな指標に注意すべきかを財務分析の視点から具体的に解説する。
- 新規上場銘柄に対する投資家の判断ポイント
今後上場を目指すREITは、どのような資産運用の考え方を持ってポートフォリオを構成していくべきか、既存銘柄との差別化をどう図るか、また投資家の投資判断基準は何か。
- 投資法人を各種の財務指標で分類し、問題点を探る
財務分析データに基づく比較分析と時系列分析を用いて、投資法人を分類し、それぞれのグループ別にメリット、デメリットを解説して、長期的銘柄判断の根拠とする。
(1) 流動性分析
流動性指標は金融機関からの資金調達条件を左右するのと、配当金原資の作り方も表すので、この指標を分析することで投資法人の現状と将来を俯瞰することが出来る。
(2) 収益性分析
収益性指標を見ることによって、REITの特性を把握することが可能であり、REITとはどのような事業主体なのかを理解することが可能となる。
またこの指標を分析することで、投資法人の現状を客観的に把握することが出来る。
(3) 実績分配金から見る投資法人別のパフォーマンス
全てのREITの実績分配金をチェックすることで、投資法人のパフォーマンス推移と現在の状態を把握出来るので、最も簡易な判断指標となり得る。
(4) 投資法人の再生手法
課題のある銘柄をいくつか挙げ、立て直しを図るにはどうしたらよいか、財務面から見ていくつかの選択肢を挙げる。
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